帳簿は紙より電子の時代
みなさんの会社の現金出納帳や総勘定元帳などの帳簿書類は
どのように保存されていますか?
今回はこれらの帳簿書類が電子データで保存できる電子帳簿保存についてご案内します。
【電子帳簿保存とは】
会計帳簿及び書類を電子で保存することです。
帳簿及び書類は税法上、紙によっての保存が義務付けられており、
7年間(注)保存しなければなりません。
(注)欠損金の繰越控除を適用する場合は最大9年間
国税庁HP 参照
http://www.nta.go.jp/taxanswer/hojin/5762.htm
しかし、一定の承認申請書を税務署長に提出することにより、紙媒体から
電磁的記録による保存に変更することが可能です!!
【保存できる書類】
帳簿 ・・・ 仕訳帳・現金出納帳・固定資産台帳・売上帳・仕入帳 など
書類 ・・・ 棚卸表・貸借対照表・損益計算書・契約書・領収書 など
【電子帳簿保存のメリット】
□ 印刷コストや □ 盗難・消失リスクを抑制 □ 必要な帳簿は
保存スペースの削除 パソコンですぐに確認
電子の時代となった昨今、電子帳簿の導入により事務処理の効率化も
大いに期待できるところだと思います。
貴社の帳簿・書類の保存の際には、是非ご検討下さい。
印紙税法の改正 ~気をつけたい印紙の貼り間違い~
1 金銭又は有価証券の受取書の免税点の引上げ
平成26年4月1日から、金銭又は有価証券の受取書のうち記載された受取金額が5万円(現行3万円)未満のものには、印紙税を課さないこととされました。
2 不動産の譲渡に関する契約書等に係る
印紙税の税率の特例措置の適用期限の延長等
不動産の譲渡に関する契約書等に係る印紙税の税率の特例措置について,その適用期限を5年延長した上、平成26年4月1日以後に作成される契約書については、軽減割合及び対象範囲を拡充することとされました。
いずれも26年4月1日以後に作成される文書に対して適用されるため、適用後の収入印紙の貼り間違いがないように気を付けたいものです。
〇消費税及び地方消費税の区分記載
「消費税額等」が区分記載されている場合又は税込価格及び税抜価格が記載されていることにより、その取引にあたって課されるべき消費税額等が明らかとなる場合には、「建物売買契約書」や「工事請負契約書」、「領収書」等について、その消費税額等の金額は記載金額に含めないこととされています。
ですので、例えば領収書において以下の様に記載されていれば記載金額 49,999円に該当し、印紙税は課されません。
① 領収金額 53,998円
税抜金額 49,999円
② 領収金額 53,998円
うち消費税額等 3,999円 と記載したもの
消費税額等 3,999円
④ 領収金額 53,998円
☆もし、誤って印紙税の納付が必要でないのに貼ってしまったり、所定の金額を超える印紙を貼ってしまったら?
「印紙税過誤納確認申請書」を所轄税務署に提出するともに、印紙税が過誤納となっている文書の原本を提示をすることにより、印紙税の還付を受けることができます。
ただし、「領収書」等を取引先に交付している場合でも、文書の原本が必要となる等の留意点もあるため、収入印紙の貼り間違いなどには十分注意してください。
交際費の損金算入限度額が拡充されました
これまで、中小法人(期末資本金の額が1億円以下の法人。ただし、資本金の額が5億円以上の法人の
完全子会社は除かれます。)に該当する場合に限り、平成25年4月1日から26年3月31日までに開始する
事業年度にあっては時限立法により、交際費の損金算入限度額は800万円とされていました。
(通常1年決算法人にあっては、平成26年3月末日が決算日の法人より適用されます。)
それ以前は、支出する交際費の金額の600万円までの90%相当額までが、損金算入限度額とされていましたので、
金額自体の枠が200万円大きくなり、損金不算入とされていた10%相当分も撤廃されました。
今回の改正の目玉としては、資本金1億円超の大法人にも交際費の損金算入を一部認めると共に、中小法人の定額控除限度額800万円を2年間延長するものです。
概要としては次の通りとなっています。
★資本金1億円超の大法人の飲食のための支出の50%相当額が損金算入可能になります。
(社内接待費は除く)
の損金算入】かの有利な方を選択することが出来ます。
これにより、大法人においても社内接待費は除かれますが、一人当り5,000円以下の取引先等との飲食費
の特例による損金化に加え、一人当り5,000円超の取引先等との飲食費の50%が損金可能となります。
中小法人においても、この制度を適用が可能ですが、800万円までの損金算入が可能な「定額控除限度額
制度」と「飲食費50%損金算入」との有利な方を選択適用することになります。
たとえば、中小法人が取引先等との接待飲食費を年間1,600万円支出したとすると、1,600万円の50%で
ある800万円が損金算入となり、定額控除限度額の800万円と同額となりますので、1,600万円超の支出が
無ければ有利とならないため、あまり現実的ではないかもしれません。
50%損金算入の対象となる接待飲食費の適用を受けるためには、下の事項について帳簿書類に記載
することが必要です。
【記載事項】
①飲食等のあった年月日
※別途作成された明細書に記載する他、領収書の余白に必要事項が
記載されているものでも認められます。
一人当り5,000円以下の接待飲食費の損金算入の記載要件と違うところは、「参加人数」の記載が
除かれているところだけで、それ以外は同様となっています。
★適用期間
平成26年4月1日から平成28年3月31日までに開始する事業年度。(時限立法)
上場株式等の配当・譲渡益に係る軽減税率の廃止について
上場株式等の譲渡及び配当所得に係る軽減税率の特例等10.147%(復興特別所得税を含みます。
以下同じ。)が平成25年12月31日をもって廃止され、平成26年1月1日以降は本則税率の20.315%が適用されます。
個人投資家の場合、ある銘柄の株式を今後も持ち続けたいと考えるのであれば、単に保有し続けるのではなく株式をいったん売却して同一水準の価額により再取得することで、全体として譲渡損益に対する課税が節税される可能性があります。
例えば、
A社の上場株式を100万円で取得していて、
年内の株価は600万円で推移し、
翌年以降は700万円で推移すると仮定します。
このようなケースを考えてみた場合
(a) 年内は保有し続け、翌年以降に売却した場合の税額
・(700万円-100万円)×20.315%=121.89万円
(b) 年内に売却・再取得を行い翌年以降に売却した場合の税額
・年内の売却(600万円-100万円)×10.147%=50.735万円
・600万円(同一水準の価額)で再取得
・翌年以降の売却(700万円-600万円)×20.315%=20.315万円
合計 50.735万円+20.315万円=71.05万円
よって、差額121.89万円-71.05万円=50.84万円
の節税効果が期待できるということです。
図に示すと次のようになります。
このように、現在の株価が取得費を上回っている場合等には年内に売却・再取得を行うことで税額面については有利になる可能性があります。ただし、これは売買コストの反映がないという点や税金分を引くと投資元本は減るという点を考慮していないため注意する必要があります。
※法人税においては取扱いが異なります。